第30章 楽しいなつやすみ!(ゾロ)
おまけ✿
ナ「…ちょっと、なんであんたパーカー着てるわけ」
「いや、えーっとですね……」
あれからゾロと岸にあがると、ちょうどサンジたちがお昼ご飯の準備をしていて。
ナミとロビンと飲み物を買いに海の家に来ていたのだが。
ロ「…ふふ、」
「な、なにロビン」
ロ「剣士さんも、意外と独占欲あるのねって思っただけよ」
「え……」
ナ「そう言われればそのパーカー、ゾロがよく着てるやつよね?って…あんた首元赤いけど」
「…えっ……あ!!」
……嘘でしょ、ゾロ。
私が知らないうちにいつの間にこんなに付けてたの!??
ナ「……ほんっと、愛されてるわねライカ」
「…なにこれ恥ずかしすぎる」
ロ「いいじゃない、いい光景よ?」
「…人の気も知らないで!」
無事に飲み物を買った私たちは、みんなのいる場所に向かっていた。
ただ、ひとつ。違うことがあって_
あの、すぐ迷子になるゾロが、私たちの元に来たのだ。
ナ「あら、噂をすれば」
「ゾロ……!」
ロ「…ふふ、どうしたのかしら?」
「あー……いや、別に」
「え、ちょ、ゾロ……!?」
ナ/ロ「「あら」」
ゾロはまっすぐに私のところに来ると、私の手元にある飲み物をぶん取って、もう片方の手は___私の手を引いたのだ。
めったに人前で触れることのない、あの、ゾロが。
しかも、”恋人繋ぎ”なんて。
ナ「あーあ、あたしも彼氏ほしー」
ロ「ほんとに、愛されてるわね、あの子」
「な、なんで……?」
「……悪ぃか」
「…全然!むしろ嬉しい!」
なんて、繋がれた手をひいて腕に抱きつけば、優しく笑うゾロがいて。
「……その顔、」
「あ?」
「…その顔、すきだなぁって」
優しく笑うゾロの顔は、私だけのもの。
めったに人前で笑うことも少なければ、触れることもないゾロだけど。その顔を知っているのは私だけ、そしてさっきのゾロだって__なんて思い出すと、あつくなる。
「……なに顔真っ赤にしてんだ」
「な、なんでもない……」
「……帰り、一緒に帰るぞ」
「へ……?」
「……アレで終わった、なんて思うなよ?」
そう囁かれては夜が楽しみで仕方ない。
なんて、破廉恥ね、わたし。
ほんとにend