第29章 酩酊のなかで(跡部景吾)
「ったく、どこで覚えてきてんだ、よ……!」
「や、ぁあ……!」
挿れたままの自身は再びムクムクと立ち上がり。
頼華をベッド四つん這いにさせれば、再び最奥へと動かした。
「こ、れ、ゃだぁ……!」
「は、っ……腰動いてんぞ」
「だ、って……だって……ぇ!!」
こんなの、すぐ、イッちゃう。なんて言うもんだから。
さらに腰を早めてやれば、嬌声もさらに大きくなって。
「ま、また……だ、めだってぇ……!」
「あぁ、何回イったのか?」
「も、やら……こわれ、ちゃ……!」
「まだ、壊れんな」
ぷしゃぷしゃと腰を動かすほどに、潮を吹いている彼女にさらに欲情して。あの頃と変わってねーな、なんて思って。あの日、頼華と俺だけの秘密の時間と、何も変わっていない。いくら抱いても抱き足らず、むしろ年数を重ねる毎に彼女が欲しくなって。
「は、っ……また、出す、からな!」
「んぅ、きて、はやく、きてぇ……!」
たぶん10回以上は達しているだろう彼女は、もう腰を上げておく気力もなくうつ伏せていて。そこに獣のように、貪りつくすように、欲望を注ぎ込むと同時に今まで以上の締め付けが俺を襲った。
「頼華、大丈夫か……?」
やってしまった、という後悔はあった。
酒を飲んでいた、普段より積極的な彼女にいつも以上に欲情してしまったから。
「ん……だ、いじょぶ」
未だにトロンとした彼女の表情。だけどそれはすぐに顔中真っ赤になっていた。
「……恥ずかしぃ」
「…今更だろ」
「だって、あんな……」
「なんだ、酔い冷めたのか」
「…うん。」
わーっ、と布団に潜ってしまった彼女を布団ごと抱きしめた。
「…けーご、くん?」
「ほら、顔見せろ」
「だって……」
「…水、飲ましてやるから」
水、という言葉に顔を出した彼女に俺は口付けで水を飲ませた。
「ん……っ」
「……飲めたか?」
「…ばか、景吾くん」
「馬鹿で結構だ」
酩酊のなかで
__普段見せない彼女の姿
(おい、俺の前以外で飲むなよ)
(……はぁい)
(……分かってるのか?)
(景吾くんの前ならいいんでしょ?)
(!……ったく、)
end
______
いちばん描きたかったものが
やっとかけました〜