第12章 好き
「でも、でもでも、まずいよ和さん」
「まずくない!」
「まずいってば!」
「あーーもう。それ以上喋ったら・・・」
するとどんどん和さんの顔が
私の顔へと近づいてくる。
「わ、わかったよ。でも、本当に大丈夫なの?」
耐えられなくて目を反らした。
でも、和さんに頬を摘ままれて
グイッと顔を戻される。
「和さんを信じられないの~?」
一瞬雷が見えたよ・・・和さん。
「ううん。信じる」
「よろしい」
「和さん・・・私和さんを好きでもいいの?」
「そう」
「なんで?」
「言うかバカ」
笑ってるはずなのに
自然と涙が出てきちゃった。
それを、前みたいに和さんは
そっと指で拭ってくれる。
幸せでいっぱい。
少し開いた窓からは
冷たい風が差し込んで
どっちから目を閉じたかな。
さっきより少し長い
キスをした。