第1章 心で生きてる
悠生をまた膝に乗せて
仏壇の横の箱をあけた。
取り出したのは、もう古くなった
リングノート。
私の好きな黄色の表紙に
特徴的な形の文字で書かれてる。
『生きていた証 ~私の大切な人たちへ~』
が書いていた日記。
なん十冊もある。
でも、の両親がくれたのは
俺ととが出会ってからの分。
それを悠生の前に持ってきて
悠生にも見せた。
漢字だらけで読めない悠生に言う。
「悠生も大きくなったし、読んであげましょうかね。これ」
すると泣き止んだ悠生。
「『5月3日 天気晴れ
和さんの帰り遅い!いつまで待たせる気ですか?
ゲームしてないで、さっさとお仕事終わらせろ(笑)
でも明日の検査来てくれる。
仕方ない。許してやるか┐('~`;)┌』
ふふっ」
何度も読んだけど、さん
可愛い字を書きますね。
それに、ほら、必ず私が出てくる。
「ママ・・・」
「そう。ママ」
私は、悠生に日記を読んであげながら
さんとの思い出を
一つひとつ思い返していた。