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空と陸の距離
第8章 泣かないで
ごろんと後ろに倒れた和さん。
そっちを見れば
腕を枕に真上を見つめてる
犬みたいな猫みたいな人がいる。
それにしても、こんなに空を見上げるの
何年ぶりかな。
目には蒼しか映らない。
夕方を終えて、夜へと向かう
淡くて渋い、蒼色。
それに見とれていれば
「さん」と名前を呼ばれる。
「はい」
隣を見ると、思っていより距離が近くて
またトクン、と心臓が音をたてる。
「寒くない?」
さっきまで人を操っていたこの人の
こんなに優しくてふんわりした瞳
初めてみた。
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