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空と陸の距離
第6章 アルバム
それからは
さっきまでのイライラを捨てて
ゆっくりと前に進んだ。
驚かしてやろう
なんていう悪戯心が持てるほど
私は余裕を持っている。
そっと近づいて
わっ!というために息を吸った途端
「遅かったじゃないですか」
振り返られた。
私は息を吸ったまま呼吸が止まって
瞬きをするしかなかった。
「ふふ。なに?その変なポーズ」
そう言われてぐったりと
肩の力が抜けた。
「なんでもない」
「そう?」
そう言うと和さんは
ん、と言って自分の横を指す。
その隣に車イスを移動させた。
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