第6章 アルバム
それからまたしばらく
画面をスクロールしていた。
それを見ていく度に
この人たちのすごさがわかる。
私、すごい人と友達になってるな。
よくこんな凡人が、って
笑えちゃう。
「げっ!!」
携帯の右上の時計は
いつのまにやら
5時34分と出ていた。
「2分遅れたー」
慌てて携帯をポケットに突っ込んで
車イスに飛び乗る。
すごい音がしたけど
私は痛くも何ともないから
それでオッケー。
いつもの歌を歌う余裕がなくて
気がつけば、あの人に
和さんに会うために
気持ちだけを早めて
車イスを操作していた。