第5章 結婚記念日
「『泣いてくれて・・・ありがとう』」
潤くんが言った。
「『100㌔の距離があっても・・・ずっと見守ってる』」
相葉さんが言った。
「『力抜かないと、何も手にできないよ』」
翔さんが言った。
「『貴方に恋をして・・・幸せだったよ、和さん』」
大野さんが言った。
『そんなこと、直接話せばいいんじゃない?』
『死んでも、和さんの力になりたいんです。
だから、和さんのご褒美に、あげてください』
『そっか。わかった。・・・任せて』
『和さんはああ見えて、甘えん坊さんだから・・・』
「自分の死と堂々と向き合って、残していくニノと悠のこと考えてたんだよ。触れることのできない分、精一杯の愛情注ごうとしてくれてたんだよ」
また、泣きそうになる。
視界がぼやけていく。
『泣いても・・・いいんですよ』
「うっ・・くっ・・うっ・・・」
3年ぶりに、こんな声出して泣いた。
悠が起きないように声を殺した。