第4章 沈む夕日
ゆっくりゆっくり沈む夕日。
最悪という言葉を頭に置いてたけど
この二宮和也という男
一緒にいて楽しかった。
少しカチンとくるところもある。
でも、
嫌いじゃないな・・・って
思わなくもないな。
「暗くなってくね」
「俺、こんな夕日の一部始終見たの初ですわ」
「私は・・・毎日見てる」
「え、そんなに?」
そう。
「暇潰しになるし、気持ちが抜けるから」
ぼんやり眺めながら
何気なく呟いてみる。
「確かに気の抜けた顔してる」
「なぬ~」
「ふふふ、嘘ですよまったく」
また笑ってから
「戻るでしょ?送ります」
と言って車椅子の取っ手を掴んだ。