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空と陸の距離

第3章 はじめまして


「一応、国民的アイドルグループの一員なんですよね~俺」

どや顔で返してきた。



そういえば、事故にあってからも
一度もテレビを観なかった。

観る元気すらなかったから・・・



「嵐。知らない?」
「なんとなくなら・・・」
「私、嵐の二宮和也です」
「うっそーーー!」
「本気で言ってる?自己主張しちゃいけない?」


『自己主張やめてもらえません?』


全然してもオーケーな人だった。
だからダメなんだな、私は。


「ごめんなさい!知らなくて」
「べつにいいですよ。そういう人久しぶりで面白いから」
「そうですか」
「あと、前言撤回してくれません?」

そう言って私の横でしゃがんだ
国民的アイドル。


私を見上げながら言った。


「私、べつに障害者だからって、心の中で笑ってませんけど?」


口角を少し上げて笑う。
なるほど。

さすがはアイドル。

夕日に照らせれていれば
完璧なる美麗者だ。



「あ、それね~」





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