第15章 もう一回
和さんと、デートした。
水族館に行った。
少し濡れている床につくのは
和さんの両足と
私の車イスのタイヤ。
変装をした和さんは、
ばれるかもしれないのに
私の車イスを押してくれた。
薄暗くて、広い場所。
魚たちが、輝いてて、とても綺麗。
「綺麗・・・」
「ね?来てよかったでしょ?」
「うん。あ!和さんあっち」
「えー」
指をさせば、クラゲの場所まで
私を連れて行ってくれる。
「わーー!すごいね和さん」
「貴女そこらの小学生ですか」
「だって、本当にすご・・・あ!あそこ」
「はいはい」
ため息をつきながらも
巨大な水槽が沢山の場所を
行ったり来たりしてくれる。
この時間が、幸せだった。