第17章 思うに別れて(happybirthday)【冨岡 義勇】
最近 冨岡の様子がおかしい
どうも 100年前の記憶がある宇随天元28歳です
キメツ学園で美術教師をしてます 前世の記憶は20歳を過ぎた頃からぼんやりとあった それが弾けるように鮮明になったのは 就活の面接会場でキメツ学園理事長 産屋敷輝哉様にあってからだ
4年先輩に悲鳴嶼の旦那がいて2年後輩には不死川と冨岡と伊黒と胡蝶姉がいて3年後輩には煉獄がいる
そしてほぼ全員が御館様に会ったのが切っ掛けで前世を思い出している――が 冨岡だけは例外で記憶はない
生き残り組は 余生の冨岡を知ってるから違和感はないが 現役しか知らなかった奴は 今の冨岡に始めは戸惑っていた
表情筋の柔軟性と言葉が足りないのは変わらないが 足りない事を自覚してるから言葉を選んで伝わるように話す だからちょっとテンポがズレてもどかしいが 慣れれば問題ない
考えがまとまらないうちは動かないがまとまった後は仕事が早く学園行事などの運営など正直助かってる
生粋の末っ子気質 不器用 無自覚天然ドジ それが時々… いやまぁまぁの頻度で発生する 現役組もそんな冨岡に慣れてきて さりげなくフォローしたり 「いいかげんにしろ!」とたまに怒ったりはするが 誰かが飲みに行こうと言えばその場に冨岡が居る事はあたりまえになって100年前のような壁はない
そんな冨岡の様子がおかしい
食べながら喋れない
そんな事は知ってんだから地味に気にする事はねぇのに気を使わせたくないって ちょっと斜め上の気づかいをして校舎裏の階段で1人ぶどうパンを食べてる冨岡が最近職員室でパンを食べてる
「最近は職員室でちゃんと食ってるな!」
ドでかボイスで滑舌がいい煉獄が言えば 食べながら喋れない冨岡は話しかけられた相手を見ながらモグモグとしっかり咀嚼して飲み込むと
「寒くなってきたからな…」
「そうだな!しかし君はもう少し食べた方がいいぞ 午後からの授業に力がでないのではないか?」
「大丈夫だ 体育準備室にプロテインがある」
「そうか!」
「それに今は実験中だ」
「実験?なんのだ」
実験という言葉に反応したのは化学教師の伊黒だ
「お前達といると 何故か懐かしく感じる それが何か俺は分からないが居心地は悪くない」
へぇ…――そうなんだ