第7章 匂いに酔う【竈門 炭治郎】
「しのぶちゃんに頼まれた薬草を採りに山に行ってから麓の薬草畑の手入れをしようかな…そして明日は朝から足りない薬草を採って乾燥の準備までしたいし…
昨日は沢山白雪を走らせたから、麓の畑の近くの川原は白雪のお気に入りの場所なの、そこで白雪を休ませてあげたいし
今日はそんな感じで行くね」
そうと決まれば、残ったご飯をおにぎりにして漬物と一緒に曲げ輪っぱに積め、瓢箪に水を入れてから袴姿に身支度を整えた
馬小屋に行き白雪を外に出し、いつもの様にヒラリと跨がった…
まではよかったのだが、昨日の初めての影響で跨がる事は出来ても、歩く馬の振動が腰に響きとても乗ってはいられない
どうしよう…明後日にはしのぶちゃんの所の隠が取りにくるのに
美桜がそろりと白雪から降りて白雪の首を撫でて悩んでいると、白雪にも何か伝わったのか顔を美桜をすり寄せてくる
屋敷の門前で待っていた炭治郎は、なかなか来ない美桜を心配して馬小屋まで行くと、白雪が美桜に寄り添うようにしているのが見えた
「美桜さん…?」
振り向くと、心配そうな顔をした炭治郎が近づいてくる
昨日の行為で腰が痛くて白雪に乗れないって恥ずかしすぎる…けど言わないと炭治郎くんには分からないよね
そう思い、正直に炭治郎に伝えると
「ごめん!美桜さん…じゃあ荷物は白雪に乗せて、俺が美桜さんを抱えて行くよ」
シーツと縄で美桜が力を入れなくても落ちない工夫をして背負い山を登る
美桜は散々断りしのぶに少し待ってもらう手紙を書くと言ったのを
「鍛練だと思えばいいんだから」
と言って、ひょいと担いで軽々と山を登って行った
背中に美桜の柔らかな乳房が当たり、炭治郎は気持ちいいやら恥ずかしいやらでなんだかむず痒い
美桜も以外とたくましい炭治郎の体と、服から伝わる体温と汗の匂いに、歩いてもないのに鼓動が早くなり胸をときめかせていた
そんな状態だから、美桜からは甘い匂いが広がり益々炭治郎はむず痒い
何気に炭治郎の首を見た美桜は、自分が吸い付き着けた赤い痣に気付いた
「ねぇ…炭治郎くん」
「なに?」
「炭治郎くんは初めてだった?」
昨晩炭治郎に翻弄されながら思っていた
なんだか馴れてる?初めてじゃない?
触れる指先が美桜を喜ばせる場所だった