第17章 幸せは今ここに、、、〖伊黒小芭内〗⚠R18
ハッと思い出したようにそんなことを
言い出し悲しそうな顔をする伊黒
ひなのは力の限りギュッと抱きしめる
「何を言うんですか!!伊黒さんは醜くない!!私が愛した人なんですから!!」
いつも皆と距離を置いていた彼が
私だけに心を許してくれた
やっと想いが通じあったと思ったのに
「やはり…やめよう」
「いや!いやです!」
「お前が俺の顔を見たら…過去を知ったら幻滅させてしまう」
「しません!!」
「いや、幻滅する」
「…そんなこと言わないでください…愛してるんです…伊黒さんじゃなきゃ…嫌なんです…」
伊黒の服をぎゅと握り
泣きじゃくるひなの
「すまない…」
「…話してください」
「!?」
「話してくれるまで私は貴方から離れません」
頑固で1度決めたことは
絶対に最後までやりきるのが彼女
それを知っている伊黒はずっと考えていた
「(良いのだろうか、こんな鬼のせいで俺の過去を話してしまい、まぐわいをしようとすること、もしかしたら嫌われるかもしれない。今ここで話すべきではないのではないか?でも………神雛なら俺を受け入れてくれるかもしれない)」
ネチネチ考える伊黒
ハッと彼女を見ると
血鬼術で火照った体が疼き
さらに息が荒くなっていた
脱がした上半身はピンっと強調し
真っ赤になっている
今にでも爆発しそうな理性を保ち
自分と向き合おうとしてくれている
彼女をみて自分が情けなくなる
「…神雛話してもいいだろうか」
「はい」
強い力で目を見つめる
「俺はな…」
ついに全部話してしまった…
嫌われただろう
また全てを失ってしまう
絶望が彼を襲う
ギュッ
「話してくださりありがとうございます。
頑張りましたね、本当に貴方は強い人です」
涙が溢れた
初めて、許された気がした
今までの罪悪感が全て流されたように…