第3章 生きる為には食べよ
初夜を終えた翌日。
与えられた部屋に隠っていた私の元に誰かがやってきた。
「開けるよ?いいかな?」
何も答えなかった。
ススーッと障子扉の開く音がする。
また、審神者様の元へ連れられるのか?
それとも、男士と言われた人の相手をさせられるのか?
今日の相手はこの人なのか?
そんな考えが頭の中を駆け巡り、未だに消えない身体の痛みに涙がこぼれた。
「大丈夫かい?」
優しく問いかけられても、私は身体の痛みと心の痛みに泣くばかりで答える事は出来ず、頭から布団を被る。
「困ったなぁ…」
呆れたような声が聞こえて来た。
「ねぇ、君。お腹空いてない?もうお昼だよ。辛いかもしれないけど何か食べなきゃ」
布団の脇にしゃがみ込み、そっと掛け布団が捲られる。
おずおずと見上げた先に居たのは、片眼を眼帯で隠した、金色の瞳をした人だった。