第2章 本丸
「…っん。…ぃやぁ」
暗い室内に細かく震える無機質な機械音が響く。
【審神者】という者に買われた私は『彩』という名を与えられ【本丸】という場所に連れられて来た。
この本丸へ来た初日に審神者様によって女にされた私は、ここで月に一度審神者様のお相手をし、求められれば刀剣男士様のお相手をするよう命じられている。
拒否する事も認められてはいるが、実際には拒否権など無いに等しい。
「…アッ。…んっ。も…もう、許し…て。」
「フッ。良い声。なぁ、この1ヶ月で誰と寝た?」
審神者様が私に問う。
私はフルフルと首を振る。
「答えてよ。弱から強にすんぞ」
それにも、イヤイヤと首を振った。
ただ、その拒否は空しく、カチッとスイッチが切り替わった。
「…あっ。あぁーっ!!」
ビクリとはねあがる腰。
「やばい。彩。最高。」
このド派手なピンク色をした卵による刺激は、私にとって快感よりも苦痛に近い。
「…っん!! …こ、答え…ます!許して!!許して!!」
再びカチッと音がして振動が止まった。
「泣いてんの?可愛いね。これ以上は俺が欲しくなるなぁ」
チュッと額に口付けが落される。
手を挙げられるのかと勘違いをしてしまい、咄嗟に身体に力が入った。
「んな、怯えなくても。いじめはするけど、痛いことはしねぇし、手ぇ挙げたりもしねぇよ。うちの誰かにされたのか?」
心配するように覗き込まれる顔。
けれど、私はその問に答える事はできず、
不足していた酸素を求めて、
自分の肩を胸をやたら上下に動ごかしていた。
「はぁ…はぁ…」
「大丈夫か?」
この状態にしたのはこの人だというのに、
その問いかけや、頭を撫でる手つきに優しさを感じてしまう私は相当毒されている。