第9章 【誕生記念】妹なんかじゃいられない! / ◆&♥
────秀吉さん、お誕生日おめでとう
愛する人の誕生日は、特別な日。
貴方と肩を並べて歩きたいから、少しだけ背伸びもしてみたけれど。
私は私らしく居よう。
貴方が好きだと言ってくれた私で。
でも妹に見られるのは癪だから……
これからは紅くらいは嗜む女になろう。
妹なんかじゃいられない。
もっともっと、魅力的な女になりたい。
来年、また貴方の誕生日を祝う時には、私はもう少し成長しているかな?
ずっとずっと、一緒に居ようね。
手を繋いで、同じ道を歩いて行こう。
「美依……」
「うん?」
「買ってやった紅、よく似合うな」
「ふふっ、ありがとう」
「ただ……」
「……?」
「あんまり綺麗になると、心配事が増えそうだ」
そう、ぽつりと漏らした秀吉さん。
賑やかな広間を、春の風が吹き抜けて……
貴方の柔らかな髪を、そっと揺らした。
私の心まで、ゆらりと揺れて。
また心がぎゅっと苦しくなる。
愛してくれて、ありがとう。
愛されてくれて、ありがとう。
私はもっともっと、貴方を想えるよ。
穏やかな炎が心に灯る。
焦がれ、私は貴方にずっと恋をしていく。
妹なんかじゃいられないから、
華が花びらを開くように───………
私も貴方の腕の中では、
艶やかに咲き乱れるのだ。
【誕生記念】妹なんかじゃいられない!
ー了ー
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Hideyoshi Toyotomi