第12章 馬の耳に
どれくらい経ったのか。
勉強に集中していたら、部屋の扉が
コンコンとリズムよく鳴った
「勉強お疲れ様!おやつができたから下に降りておいで」
ノックの正体はおついちであったか
は元気よく
「はぁい!」
と返事をした。
「じゃあ今日はここまでだ。明日はおっつんに見てもらえ」
「はい。ありがとうございました。」
兄者と二人でリビングへ行くと
おついちがおやつを用意して待っていた。
「今日のおやつはおついちさん特製プリンだよ!!」
先ほどの泣きっ面はどこへやら
弟者がニコニコしながらプリンにありついている
「おついちさんのお説教は終わったんですか?」
「うん!あ、ねぇ。おやつ食べ終わったらまた庭に出て……」
そう弟者が小声でに話しかけたとき
「おとじゃくぅ~ん?」
後ろにいたおついちにはしっかり聞こえてしまったようで
弟者はまた、おついちのお説教を受ける羽目になった
「兄者さん。こういうのなんて言うんでしたっけ?」
「デジャビュ?」
「いや、そうじゃなくて……」
しばらく考えてから
「わかった!馬の耳に念仏!」
と、がひらめいた顔で言う
兄者は思わずコーヒーを吹き出しそうになったが
何とかこらえた
「そうだな。あってるよ」
幸せそうにプリンを頬張る彼女に
そう言うと
「早速勉強が役に立ちました」
と嬉しそうな笑みを浮かべた