第8章 日常が壊れた日
「!」
誰の声……?
ずっと、聞いていた。
暖かい声
前を見るとお母さんが私を見つめる
「また寝ていたの?早く宿題終わらせちゃいなさい」
どうやら私は机に突っ伏してそのまま寝てしまっていたようだ
「だって。算数難しいんだもん」
頬を膨らませながらそう返す
「全く…そんなんじゃお父さんのお仕事を手伝うだなんて夢のまた夢よ?」
「そうだぞー」
「お父さん!おかえりなさい!」
帰ってきた父の胸に飛び込む
「ははは。ただいま。算数が難しいのかい?どれ、見てあげよう」
「うん!」
目の前の数式に頭を悩ませながら
「どうしたらお父さんみたいに強くなれるかな?」
と聞くとお父さんは
「うーん…そうだなぁ…まずは、いっぱい遊んで体力をつけるところからだな」
そう言って自慢の力こぶしを見せてくるのだ
の両親は共働きで
こんな日常は1か月に2,3回しかなかったが
それでも両親はにありったけの愛情を注いだ
仕事に行くとき両親は必ずに
「愛してる」
と額にキスをした
両親が家にいない間は
たまらなく寂しくて
は両親の帰りを今か今かと待ち続けた