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ハリー・ポッターと沈黙の天使

第38章 【忍び寄る魔の手】


「ちょっと待ってハリー、その、シリウスはグリモールドプレイスにいるのよ。どうやって捕まったの?」
「それは分からない。でも捕まっているのは確かなんだ。場所は神秘部の、小さなガラス玉が置かれた棚が沢山ある部屋だ。そこの97列目の棚の奥にいる」
「どうしてそこだって分かるの?」
「いつも見ていた夢の通りなんだ!僕が夢の中で、いつも神秘部の扉の奥に、あるものを探してさまよっていた部屋だ。間違いない!早く行かないとシリウスが殺される!!」
「行く!?行くってどこに!!?」
「神秘部さ!シリウスを助けに行かなくちゃ!!」

 ロンもクリスもハーマイオニーも何もいう事が出来ず、辺りがシーンと静まり返った。

 助けに行くなんて不可能だ。だがそうしなければ、シリウスが死ぬ。父様と、セドリックと同じように……。
 そう思ったら急に現実感がなくなって、急速に意識が遠のいていった。恐らく今まで無理やり蓋をしてきた心が、ついに決壊したのだろう。

 クリスは床に崩れ落ちる直前、悲痛な声でハリーがクリスの名前を叫ぶのを聞いた。そしてそれを最後に、クリスの意識は途絶えた――。
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