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ハリー・ポッターと沈黙の天使

第36章 【W・W・W】



「だって、シリウスもルーピン先生もダンブルドア先生も仰ってたんでしょう?『閉心術』の特訓をするべきだって」
「だからって、あんな過去見た後に『先生、特訓を続けて下さい』何て言えないよ!」
「相手はスネイプだぜ?授業中にハリーを絞め殺してないだけマシってもんさ」

 こんな調子で、口論は1歩たりとも進まない。クリスは頭を抱えた。

「そう言えばハリー、シリウスと会って、その話しをしたんだろう?」
「うん……」
「何て言っていた?」
「だから、父さんたちは若さゆえの過ちだって――」
「そうじゃなくて、シリウスと会って、『閉心術』の特訓がもう受けらないって言ったんだろう?それについてシリウスは何て言っていた?」
「じ……」
「じ?」
「自分が直に会って、続けさせるよう説得するって……」

 それを聞くと、ハーマイオニーは当然とばかりにフンと鼻を鳴らした。これでハリーは何とかして、スネイプに『閉心術』を続けてもらうよう努力することが決定付けられた。

「それにしたって、どうしてそこまでして『閉心術』を学ばなくっちゃいんだろ?」
「当り前よ!だって……ヴォルデモートが見ている夢なのよ!?」
「そう言えばハリー。例の夢って、いったいどんな感じなんだ?」
「ん~…いつも変わんないよ。神秘部の暗い廊下を走って、ぼんやりと明かりのついた部屋を突っ切って、それから棚ばっかりある変な部屋を――」

 丁度その時、チャイムが鳴って話しは打ち切りとなり、4人は腰を上げ授業に向かった。
 今日は朝から『変身術』の授業だった。クリスは一応魔法を使う訓練をしていたが、心の底ではもう実技は諦めていた。
 
「悪戯専門店かー……」
「えっ?」
「なんでもない」

 クリスは杖をふるって、緑色と赤い色の火花をバチバチいわせた。それを見ながら、クリスは将来W・W・Wにご厄介になるのも良いかもしれないと思った。
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