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ハリー・ポッターと沈黙の天使

第34章 【DA危うし!】


 医務室に1歩入った瞬間、マダム・ポンフリーが必死の形相で迫って来た。

「状態は!?怪我の経緯は!?どこが痛いんです!?」
「えーっと……肩と胸の間あたりです」

 そう言うと、マダム・ポンフリーは「はあぁ~」と大きくため息を吐いた。
 クリスは双子に何があったのかと耳打ちすると、フレッドとジョージは「後で話すさ」とだけ言った。どうもここだと都合が悪いらしい。

 マダム・ポンフリーのおかげで傷の痛みもすっかり消えたクリスは、フレッドとジョージと一緒に談話室に戻った。
 談話室ではDAメンバーが大勢集まっていて、いったい誰が密告したのか予想を立てていると、古い羊皮紙を眺めていたフレッドが「マリエッタ」と突然叫んだ。

「マリエッタ?って言うと、あのレイブンクローの?」
「確か、チョウ・チャンの友達だったっけ?」
「ああ、そのマリエッタに違いない。今ハリーと一緒に校長室にいる」

 「ええっ!」とみんな一斉に驚きの声を上げた。何故フレッドにそんなことが分かるのかと思ったら、フレッドが持っていた古い羊皮紙は、『忍びの地図』だった。
 この地図の使い道を知っているのは、この地図を作った初代いたずら仕掛人と双子達、それとクリス達4人だけだ。
 ちなみにこれは後で知ったことだが、ハリーが捕まる直前、皆を頼むと言ってフレッドとジョージに地図を託したらしい。

 『忍びの地図』がいくら役立つアイテムだと言っても、生憎分かるのは誰がどこにいるのかだけだ。
 ハリーやダンブルドア、それにアンブリッジやファッジ大臣まで揃っている校長室の地図を見つめていると、ふとした瞬間、まるで初めからそこに居なかったかのようにダンブルドアの名前が消えた。
 地図を覗いていたクリス達が驚きの声を上げた。

「まさか壊れたのか!?」
「そんなわけない、僕らの名前はちゃんとかいてある!」
「それじゃあ何で……」

 そこから先は、誰も、何も分からなかった。ただ分かっていることは、歴代最高と名高いアルバス・ダンブルドア校長が、ホグワーツから消えたという事実だけだった。
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