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ハリー・ポッターと沈黙の天使

第24章 【Love ∞ destiny】


「分からないんだ、自分でも……ただ――」
「ただ?」
「それを確かめる前に、セドリックは死んでしまった」

 例え1度で良い、もう1度セドリックに逢えたなら、この感情に名前を付ける事が出来たかもしれない。
 しかしあの墓場で、セドリックはヴォルデモートによって殺された。その瞬間を見たわけでは無いが、草の上に人形の様に転がっているセドリックの死体。そして――そして、夢の中に出てくるセドリックの不気味な姿。
 それらがまるで影のようにクリスの傍から離れないのは、否定できない事実だった。

「――逢いたいんだ」
「クリス……」
「もう1度だけで良い、穏やかな陽の中で、セドリックと話しがしたい……」

 それはどんなに願っても叶えられない願い。クリスは目を閉じ、必死にセドリックの笑った顔を思い出そうとした。
 しかし何故だろう。そうすればそうする程、息も出来ないくらい苦しくなっていき、クリスは唇を噛みしめ、ハーマイオニーに悟られない様に小さく嗚咽を漏らした。
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