第17章 【ハーマイオニーの計画】
アンブリッジVSトレローニーは中々興味深かったが、その次はクソつまらない『闇の魔術に対する防衛術』だった。
授業が始まると、アンブリッジは先週と同じように生徒達に杖をしまわせて、教科書の第2章を黙読させようとした。
――が、失敗した。
と言うのも、またハーマイオニーの手が高々と上がり主張していたので、誰も教科書に集中していなかったのだ。
最初はアンブリッジも無視しようとしていたが、生徒達の目が教科書ではなくハーマイオニーに注目していると分かると、諦めてハーマイオニーを指した。
「何か質問ですか?ミス・グレンジャー」
「第2章はもう読んでしましました」
「そう、それじゃあ第3章を――」
「そこも読みました。この教科書は全部読んでしまいました」
流石はハーマイオニー様々だ。あのアンブリッジでさえ、ちょっと面食らった顔をしている。
しかし敵もさる事ながら、ガマガエルそっくりの笑顔でこう返した。
「そう、それじゃあスリンクハードが第15章で逆呪いについて何と言っているか簡潔にまとめられるでしょうね?もし答えられなかったら――」
「スリンクハードは、逆呪いと言う名前は誤解を生みやすく、むしろ自分自身がかけた呪いを受け入れやすくする為にそう呼んでいるに過ぎないと述べています」
ハーマイオニーはアンブリッジが言い終わる前にキビキビと答えた。
流石5年連続学年トップの座は伊達じゃない。ハーマイオニーがあまりに見事に答えた為、アンブリッジは一瞬言葉を失った。
高々15歳の学生に先手を取られたのは初めてだろう。吊り上がった眉がそう告げていた。
ハーマイオニーはアンブリッジが怯んだ隙にさらに突っ込んだ。