第15章 【BAD NEWS】
この考えなしとも取れる軽率な行動で、万が一シリウスが捕まってアズカバンに戻るような事があったら――想像するだけで胃がよじれる様だ。
顔を青くする4人を見て、シリウスがため息を吐いた。
「分かったよ、この話は止そう。ただもしかしたら、君達が私に会いたいと思ってくれていると考えただけだ」
「もちろん会いたいよ、でももし正体がバレてシリウスがアズカバンに再送されることの方が嫌だ」
ハリーがエメラルドグリーンの瞳を潤ませ、真剣にそう告げると、シリウスは一瞬口を閉ざし、低い声で失望したように囁いた。
「君は思っていたよりジェームズに似ていないな」
その言葉は、まるでナイフの様にハリーの心に突き刺さった。ショックを受けたハリーの顔を見て、シリウスはフッと苦笑いをした。
「それじゃあ今日はここまでだ。次にこの暖炉に現れる時間を手紙で知らせるよ。その手紙を受け取る危険を冒すくらいの冒険心は持ち合わせているかい?」
その返事を待たずに、シリウスはポンっと音を立てて姿を消した。
それまでシリウスの顔があった暖炉のには、まるで何もなかったかのように赤い炎がゆらゆら揺れていた。
その炎を見ながら、クリスは夏休みの時ウィーズリーおばさんがシリウスに言っていた言葉を思い出していた。