第7章 依存共存【R18】《不死川実弥》
微かな日差しが眩しくて目を開ける。
「…!?遅刻…っ」
勢いよく上半身を起き上がらせたみさは
そこが自分の部屋でない事に気付いた。
腰にがっちり絡み付く腕に動きずらさを覚えながら、昨日の出来事を思い出す。
そのまま寝てしまった筈なので、不死川が浴衣を着せてくれたのだと思う。
「あ、そう言えば…私、今日は休みだぁ」
良かった…と胸を撫で下ろす。
起きようと腰に乗っている腕をそおっとどかそうとする。
「…こら、逃げるな」
途端に腕が伸びてきて、布団に逆戻りしてしまう。
「っ…実弥さ」
まだ半分夢の中の不死川に腕前をされて、頭の上に顎を乗せられる。完全に逃げられない体勢である。
みさは諦めてそのままでいると、基礎正しくゆっくりと旋律を打っていた不死川の鼓動が、いきなり早くなり出したのだ。
「…?実弥さん?」
「ぁー…あれだ」
「…はい?」
「…昨日めちゃくちゃにあんな事をしちまった責任は、取る」
不死川の鼓動がどんどん早くなるのを感じるから、その先の言葉に、期待してしまう。
「入れようぜ、籍」
「…は、い」
夢みたいな言葉に、思わず不死川の唇を奪う。
ぬるりと隙間から侵入してきた熱い舌に、
みさはうっとりとされるがままになる。
いつもならこのまま、身体に手が回ってきて…となる筈なのに、不死川は固まったまま。
不思議に思ったみさは不死川の顔を覗き込む
「実弥、さん?」
「…しかしあれだ、婚姻前にできてたりしたら、胡蝶に俺ァ殺されるなァ」
恐れおののき、真顔で言う不死川にみさは思わず笑ってしまったのである。
end.