第1章 怪物との境界線
暫くの沈黙が続き、それに耐えられなくなったので(睨む事に疲れたので)言葉をかける。
否、かけようとした。
『どうしまし…』
ブフゥウウウウーーーーッッ!!!!!
突然の効果音と出来事に言葉が詰まり目がこれでもかと見開いた。
何故か分からないが、突然黄色頭が鼻から血を噴射させて前のめりに倒れたのだ。
え、なに、怖。
「ぜ、善逸ぅうっーー!
だ、大丈夫か…しっかりしろ!!」
額に傷のある子が黄色頭に駆け寄る。
駆け寄る際も今も何故か彼は目を瞑ったままだ。
それでは状況確認も出来ないだろう、なにしてんのこの子。
とりあえず大丈夫かと声をかけようとした、
『だいじ…』
「つ、つかぬ事をお聞きしますがっっ!!!」
がーーー、また遮られた。
なんなの、と苛立ちながらも彼の言葉の先を促す。
「何故、貴女は裸なのでしょうかっっ!!!!!!」
『え…』
あーーーーーーーーーーーー。
そうゆう事か…うん。
この気絶している佐藤とやらとの行為で着物を脱がされた為、自身も裸であったのだ。
そしてそのまま記憶改竄する為行動していたが、突然の彼等の訪問に自分の状況を忘れていた。
『(別に裸見られたくらいでどうとはないけれど…)
すいません……。』
そうは思うがこの子達には害のあるものらしい。
商売道具なのに心外だなぁ…とは思いつつ、近くにあった自身の羽織を手繰り寄せ肩にかける。
一応片手で前らへんは閉めてあげた、なんて優鬼なんだ私は←
「お手を煩わせてしまってすいません!!!
ですが!人前では服を着ていただきたい!!!」
君達が勝手に入ってきたんだろう、とは言えず無言で見つめる。
再び沈黙。
どうやら黄色頭は鼻血を流した事により気絶をしたようだ。
静かになっていいなとは思うがいかんせん空気が重い、どうするべきか。