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星の砂✩【銀魂】

第6章 落ちる[沖田side]


雨の中、大石と1つの傘を差し屯所までの道を歩く

「はぁ…何が好きでお前なんかと相合い傘しながら歩かなきゃならねーんでィ」

『別に私だって沖田隊長と相合い傘なんてしたくないですよ』

「あァ?」

『嘘ですよ!沖田隊長と相合い傘出来てうれしーなー』

棒読みで言う大石を足蹴りしながら歩いていると突然彼女はピタッと足を止め灰色の空を見上げた

…何してんでィこいつ。

同じように空を見上げるが何も見えず俺は首を傾げた

「何ボーッと突っ立ってんでィ行くぞ」

『あ、はい!』

「それと…」

俺はじっと大石の肩を見つめた

『え?』

「もっとこっち来やがれ、肩濡れてんだろうが」

大石の腕を掴み引き寄せると彼女は目を大きく見開いて俺を見つめた

『…明日も雨ですか?』

「殺すぞ」

まじで可愛くねぇこの女。

いくら色気がねェとは言えこいつも一応生物学上は女だ

俺だって健全な18歳男子、女に興味がないわけじゃない

互いにそういう感情がなくともこうして隣にいれば普通は多少意識くらいしたっておかしくはないはずだ

だがこいつと俺には今までそれが1度もない

『あの、もうちょっと早く歩きません?
…沖田隊長歩くスピード意外と遅いんですね』

意識どころかたまに殺意が湧くくらいだ


へらへら笑いながら隣を歩く大石を見つめ溜息をついた

何だこの女、そもそも何で俺はこんな雨の日にわざわざ外に出てこんな奴を迎えに行ってんだ。

アホらしい…。

「オイ豚、あそこの甘味屋で団子買ってこい」


『えっ、でも酷い雨ですし早く帰ったほうが…』

ブタ扱いに珍しく何も怒ってこない大石は空を見ながら少し焦った様子で言った

「いいから買ってこい、どうせ団子買うくれェしか使えねぇんだから」

『な!それどういう意味ですか!!』

シッシと大石を手で払いながら携帯の画面を見つめた


チッ、30分も遅刻でィ。


「とっとと買って来やがれ、土方さんにどやされちまう。あ、もちろん全部お前の金だぜィ」

『…まじ呪いたいレベルですよ』
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