第6章 落ちる[沖田side]
外に出て見れば雨は思った以上に激しく降っていた
傘一本でも足りなさそうだった為、仕方なく雨外套も着ることにした
バシャバシャと水溜まりを弾きながらしばらく歩いて行くと恐らくあいつが向かったであろうコンビニが見えてきた
傘を閉じて中に入るが大石の姿はどこにも見当たらない
行き違いにでもなったか?
店を出て、来た道を戻ろうとすると "ぶえっくしょん"とどっかの誰かとそっくりなくしゃみが店の裏の方から聞こえた
裏へまわるとコンビニ袋片手にしゃがむ大石がいて
「…何してんでィお前」
俺を見た瞬間彼女は目を見開いた
『お、沖田隊長!!何で…いや違うんですよ!?本当はすぐ帰ろうと思ったんですよ?でも酷い雷雨だったんで少し雨宿りしてこうかな~なんて思ってですね…』
「別に何も言ってねぇし…
つか何でびしょ濡れなんでィ、傘持ってってなかったのかよ」
俺の目に映る大石は髪から隊服まで全身びしょ濡れだった
『いや、持ってきてたんですけど…
店出たらなくなってました!
盗まれちゃったんですかね?アハハハ』
「んな短時間で盗まれるとか不運な奴だな」
そう言って冷ややかな視線を送れば大石は困ったように笑うだけだった
『ところで沖田隊長はどうしてここに?』
「こんな嵐だからな、ジャンプと焼きそばパンが心配になって様子見に来ただけでさァ」
『私の心配はなしですか』
「あ、うそうそ。本当は土方さんからの呼び出しがあったんで呼びにきたんでィ」
『だから私の心配はなしなんですか』