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星の砂✩【銀魂】

第15章 たまには素直になるのも大事【帰省編③】


『…』

カチャッと音を立てて私の手から落ちた小刀、それと同時に束ねていた私の髪が床に落ちた

「結衣…お、お前…」

『父上、確かに父上の言う通り私は女で力も無いし弱い』

だから私は護ることが出来なかった…。

あの日、大切な人を…目の前で失ってしまった。

『でもだからって…何もしないわけにはいかないんです!』

もう誰も傷ついて欲しくない。

『父上、私はもう護られるだけは嫌なんです、ただ見ているだけなんて耐えられない!非力でもいい、私は今度こそ私の大切な人を護りたいんです』

「…結衣、今自分が何を言ってるのかわかっているのか!」

『…』

「ッ!」

バチンッ

俯いたまま静かに頷くと、父上は私の頬を勢い良く叩いた

「お前という奴は…ッ、今まで私がお前を護る為にどれだけ力を尽くしたと思っている!?その恩を仇で返すつもりか!」

『…』

「今度こそ護るだと?寝惚けたことを言うな!下賤の者達に影響され命を安売りしよって…それも平河という男の教えか?」

『…平河隊長は関係ありません』

「では真選組という芋侍どもの影響か…どちらにせよろくなものではない」

『ッ!』

「やはりあいつらといることを許した私の間違いであったか。もうよい、部屋に戻りなさい。


今後、お前が結婚するまで自ら外へ出ることは一切禁止とする。それから真選組は…そうだな、お前の婚約者に潰してもらうとするか」

『…父上…』

「…なんだ?」

『やはり…父上は変わっていませんね』

「…変わっていない?…当たり前だ。今も昔も正しいのはこの私なのだからな」

そう言って高らかに笑う父上を私は見つめた

『…まだわからないんですか。私がこうして自分の髪を切った理由も自らここへ来た理由も…』

「…なに?」

『真選組を潰したければお好きなようにして下さい。…但し、』

次の瞬間、私は父上の背後に回り小刀を彼の首に突きつけた

『私の大切な人達に指一本でも触れれば、私がこの手であなたを殺します』

「な"ッ!」

『私が出来ないとでも?…勘違いしないで下さい。


私はもう財閥の娘でも護られるだけのか弱い少女でもない』


『真選組一番隊隊士、大石結衣』

一人の人間であり、

「!!」

『これが私のケジメです』

侍なんだ。
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