第12章 嫌な予感ほどよく当たる
「忘れる…な、お前はきっと強く…なれる」
『う…ッ』
「そしていつか…護りたいと思った者を…必ず護り抜くんだ」
『平河…隊長…ッ』
「結衣…お前は、いつまでも俺の…自慢の隊士で大事な女の子だよ」
そう言って最期に優しい笑みを浮かべた平河隊長はそのまま息を引き取った
頭が真っ白になって、周りの音も一切聴こえなくなった
気がつくと私は土方さんたちと車に乗っていて
「結衣ちゃん大丈夫?」
隣に座る山崎さんと彼が差し出す私の刀が目に映った
平河隊長が…
- 結衣! -
死んだ?
もう…会えない?
うそだ…
そんなの…
目を見開いたまま車の窓に映る自身の姿を見つめた
そこで私はようやく自身の身体が血で染まっていることに気がついた
そしてこの血が私のモノではないということにも。
『う…うわぁああッ!』
この時私は目の前で起こった残酷な出来事に初めて大声を出して泣いた
…まるで小さな子供のように。