第1章 出逢い
~夜~
風呂から上がり、リビングでリラックスしていた。
『理沙、クラス替えどうだった?』
お母さんが話しかけてきた。
『あ、美嘉ちゃんと同クラになれたよ!!』
『あらーよかったじゃない!』
『うん、それと…』
『イケメンおった!?』
私の言葉を遮ってお母さんが興奮気味で聞いてきた。
お母さんもイケメン好きだからなあ。
『隣の席の人がめちゃイケメン!!秋元陵って名前だよ!!』
『お母さんも見たかったわ~。』
『俺よりイケメン?』
問いかけてきたのは、高3の兄、海斗(カイト)だった。
『…うん、まあね。』
『嘘だあ、俺よりイケメンのやつなんておらんってw』
兄は極度のナルシストだがかなりモテる。女子から毎日のように告られるらしい。
『あーはいはい。お兄ちゃんが一番イケメンですよー(棒読み)』
確かに私もかなりイケメンだと思うが、普段の言動でそれを台無しにしている。
『ふふん、だろ?彼氏ができたことないお前をイケメンなお兄様が慰めてやろうか?w』
『中学のとき彼氏いたわ!てか、いなくても慰めなくていいから!!』
『そうだっけ?まあ、そんな強がんなって理沙ちゃん^^』
お兄ちゃんが頭を撫でる。
『……うざっ』
そう呟いて手を振り払った。
『ん?なんだって?』
『別にー。』
とぼける私。
その様子を見ていたお母さんがクスッと笑った。