第10章 臨海学校
『陵…』
一瞬陵を見た後、すぐに顔を背けた。
『こんなところにいたのか…早く戻るぞ。』
『私なんかほっといて、さっきの女の子達と遊んでればいいじゃん。』
私は陵の言葉を無視して言った。
『はぁ?なんでだよ。』
『女の子ににチヤホヤされてニコニコしてたじゃん。』
『いや、してねぇよ。』
『してた。』
『してない。』
『してるように見えたのっ!!』
バシャッと陵に海水をかけた。
『うわ!目に入った…っ』
目を擦る陵。
『たしかに陵はカッコいいし、女の子にモテるのはしょうがないと思うよ!!!…ただ私は……っ』
私は下を向いて拳を握り締めた。