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【短編集】倉庫【雑多】

第6章 クロユリ3(五条悟)


明日から先生の出張の同行だ。
先生がお風呂に行っている間に荷物の準備を終わらせようと自分の服などを少しまとめた。

足手まといにならないようにしたいけど、一緒に観光地を回りたい気持ちも少なからずある。
仕事が終わったら自由時間になるからと説明してもらったときは、嬉しさのあまり「ひゃい!」と舌を噛んで返事をしてしまった。

「準備終わった?」
タオル一枚の先生に後ろから抱きしめられ、驚いて身体が跳ねてしまった。
「いえ!というか、私、旅行したことがなくて…何したらいいかわからなくて…」
「へー!そうなんだー!」
なんだか嬉しそうに言われている気がして、
「どうしたんですか?」
と聞く。
その目はどこかいつもよりキラキラとしていた。
「るるからは初めてをたくさん貰えて嬉しいなぁ」
「……」
恥ずかし気もなく、よくそういう台詞がさらっと言えるなあと、感心した。
言ってもいない私の方が恥ずかしく、顔を見られないように
「お風呂いただきます…!」
と慌てて立ち上がろうとした。
「ダメですー」
バランスを崩して後ろへ倒れそうになったところで、ぐっと腕を引っ張られ、すっぽりと自分より大きな身体につつまれる。
「まだ照れるの、初々しくていいねえ」
耳元で低く甘く言われると、まだ何もされていないのに腰あたりが疼いていく。
そのまま無理やり振り向かされると、ちゅ、と音をたてて唇をついばまれた。
「せ、せんせ、私、先にお風呂行きたいです…」
もう拒否しきることが出来ないのを自分でもわかって、やんわりとそう言ったが、あっさりと首を横に振られた。
「後で一緒に入ろう」
「え、でも先生今…」
「朝風呂になっちゃうかもねー」
(ひええ…)
抱き上げられ、少ししてからゆっくりとシーツに下ろされた。
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