第3章 ロベリア3(ダンデ)
「ご迷惑を……おかけしました……」
ホテルを出た時、私は深く頭を下げた。
介抱してもらったあげく、あんなことになり、更に出る頃には宿泊費はしっかりと支払われており、服も綺麗に洗濯されて乾いていた。
申し訳なさの極みで消えたくなる。
朝御飯もしっかりご馳走になってしまい、駅まで送ってもらった。
「歩けるか?」
「……はい」
とんでもない痛みはあるものの、動けないほどではなかった。
ダンデさんは、よかった、と笑ってからぽんぽんといつものように私の頭を撫でる。
同じように接してくれるのが逆にツラい。
「昨日言ったこと覚えてるな!?」
「えっ!?」
「お前はお前のチャンピオンやればいーんだって」
「っ!!」
今までの張り詰めた私の何かが、ゆっくりと切れた。
ふー、と息を吐いてから、
「ありがとうございます!」
とやっと笑顔で言えた。
ダンデさんも笑い返してくれた。