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【短編集】倉庫【雑多】

第3章 ロベリア3(ダンデ)


よく覚えていないが、確か、あまりにもついていない日だった。
それ故に自棄になってレストランで大量の食事をし、そしてネズさんのライブを見て叫び、カラカラの喉を潤すのにお店に入った。
何を思ったのかノンアルコールカクテルを頼んだはずが、ばっちりそれはアルコールの味がして、飲み干した後にまずった…!と思った。
マスコミやらに見つかる前に店を出ようと思い、荷物を慌ててまとめてレジに向かうと、もう支払ってあると店員さんに言われ、酔いながらもきょとんとした。
ファンからのサービスでたまにあるが、いつもながらに罪悪感がぐらつく。
でも今はそんなことも気にしていられない。
変装がバレないうちに、と慌てて外に出た。
赤い顔がわからないように帽子を深くかぶり、持っていたサングラスをかける。
深夜なので怪しいに決まっている。

なんとか人気の少ないところに出ると、今一番会いたくない人がいた。
「だ、ダンデさん…………」
「美味かったか?人生初の酒は」
「っ!!!!」
お金を払ってくれたのはダンデさんだろう。
緊張と慣れない液体に、体がぐわっと熱くなり、食べたものがのぼってくる。
「ひぅ………」
「大丈夫か?」
どうしても見られたくなくて、慌てて私は口を抑えてしゃがんだ。
「おい」
その長身をかがめれば、ひんやりとしたペットボトルを差し出される。
「水を大量に飲め」
「…っ、あ、ありがとう、ございます……」

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