第2章 悲しき奥多摩湖ロープウェイ
奥多摩湖周遊道路までには幾つもの橋を渡る。
【奥多摩ロープウェイは、小河内ダムの完成から5年後の1962年(昭和37年)に開業しました。
この索道事業主は小河内観光開発株式会社で、正式名称は川野ロープウェイといいます。
現在の奥多摩湖レストセンター近くの川野駅から、対岸の旧奥多摩有料道路料金所付近の三頭山口(みとうさんくち)駅までの湖面上600mを、約6分で結んでいました。】
奥多摩レストセンターの脇を抜けると、対岸に渡る三頭橋が見えてくる。
【営業当初、日本は高度経済成長期、東京オリンピックの開催を控え希望に満ちた時代でもあり、主に関東方面から多くの観光客を集め、奥多摩湖上遊覧の観光客や登山客の利用等、賑わいを見せていたといいます。
しかし、開業数年後に湖上横断出来る三頭橋が完成し自動車やバスで簡単に対岸まで通行が可能になり、乗客が激減しました。
開業から僅か4年後の1966年に「冬季休業」という名目で運行を一時停止しました。
その後、営業不振の理由により、1975年(昭和50年)3月に正式に運行休止申請が出されています。】
三頭橋を渡り周遊道路入口の橋を渡り、旧料金所跡駐車場に車を止めた。
湖側にはロープウェイの錆びた鉄塔が立っている。