第11章 最重要機密事項

「私には………勿体ないお言葉です。/////」

恥ずかしいやら嬉しいやらで頬を染めながら呟くと、

その顔も全て、いっとう好きだよ。

と真っ直ぐな目をしてそう告げられる。


「…………そ、その様な顔をされると、
私はどうしたらいいのか…/////」


余りにも愛おしそうに見つめるものだから
目線をそらし頬を染める。

産『僕はね、君を手に入れてしまおうかと思った。
けど、それが出来ないんだよ。』

頬を優しく撫でながら悔しそうに呟く。

産『つい先日、僕に見合いの話が来た。
それを受けなければならないし、断るつもりも無い。』

その顔は見たことが無いほど辛そうで、
今にも泣き出しそうな、そんな顔だった。


「……。（絶対に素敵な方ですよ、なんて
こんな顔されたら言えないじゃない………。）」


産『ただ、伝えたかったんだ。
君が僕の初恋で、本当は君に 簪を送って。
本当は、それを頬を染めて喜んで欲しかった。』


そう言って腰を引き寄せられると
ゆっくりと顔が近づく。

顎に手を添えられ、顔を背けることができない。

_____チュッ。
可愛らしい音をたてて一瞬だけ唇が重なった。


「………か、耀哉さまっ………！？/////」

焦って声を上げると、
目の前に熱を持った瞳と端正な顔があり
この人と今唇を重ねたと言う事実をありありと
自覚させられる。