第27章 不安と過去とそれから未来

実『怖ェのは…正直俺にはわかんねぇけど。
……一生満足なんて出来ねェよ。』


女の気持ちは分からないが、きっと目を合わせて心の本音を伝えれば不安なんて消えるだろう。


「私、やっぱり実弥の事が大好き。」


眉を下げ照れくさそうに、それでいて嬉しそうにゆったりと笑う顔に__ドクンと心臓が鳴った。


実『(…この顔が1番好きなのかもしんねェ。)』


へへへっ。と照れくさそうに再び胸元に擦り寄って来るを閉じ込めるように抱き締める。


実『…………早く怪我治してくれ、頼むから。』

「……え、えっと。」

実『…だからその顔すんなよ。頼むから。』

「…ど、どの顔…でしょうか。」


困ったような焦った様な顔がチラッと見えて、いぢめたいなんて妙な加虐心がゾワゾワと湧き上がる。



実『煽ってんの…分かってくんねェかなァっ！！』

「……！？」

実『……。(また怒鳴っちまった。)』


自分でも阿呆だと思う。

喜んでみたり盛ってみたり落ち込んでみたり。
今夜は何故だか感情が忙しない。