第31章 *雁字搦めの蜘蛛の糸(時透無一郎)
「はぁっはぁっ…はぁっ」
『時透様、やめてっんぁっ…ぁああっんんっっ…』
息を乱し、更に体を密着させる時透に本気だと悟ったはどこか諦めたように濡れた頬に一筋の涙を上書きさせ強く目を瞑った。
その直後、時透は呻き声を発した後体の動きを止めた。
そして子宮口に押し付けるように腰を動かした後、ずるりと一物を抜いた。
ぽかりと空いた穴からは、精液の白と破瓜の証の赤が混ざりピンク色の液体が時透の後を追うように流れていった。
絶望の最中、聞こえたのは
もう二度と離さない
の一言。
最初から発していた警告のサイン。それに気づかなかったのはの失態。
時透の執着は強いのを知っている。まるで蜘蛛に捕らわれた蝶のように。
逃げ場はもうない。
涙を流すを抱き起こした無一郎の顔は満足そうに笑っていた。