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*俺のご主人様になって下さい*【R18】

第2章 ***




「でもあのお店…いいお小遣い稼ぎになるのよね」

「そ、その分は俺が何とかしますから!」

わざと意地悪な事を言えば、彼は必死に食い下がってくる。
それだけ本気なのだろう。


「そうねぇ…じゃあチャンスをあげる」

「…え?」

「あなたがどれ程本気なのか私に教えて?口だけの男は嫌いなの」

「っ…、でも…どうやって……」

「そんな事自分で考えなさい」

私も本気だった。
元々好きでやっている商売だ、今すぐ辞めるつもりなんて毛頭ない。
それに今までだって彼のような事を言ってきた客は何人もいる。
金に物を言わせて私を自分のモノにしようとする輩が。

でも…もし彼が、私の気持ちを変えさせるくらいの本気を見せてくれるなら…


「…期待してるわよ」

「……、」

「けど憶えておいて?あなたの本気が私に伝わらなかった時は、プライベートではもう会わないからそのつもりで」

「……解りました」


期間は1ヶ月…その間に私の気が変われば彼の勝ち。
言われた通りあのお店は辞めて、彼だけのご主人様になるつもりだ。

(…彼がどう出るか楽しみだわ)



それから私たちはこれまで通りの生活を送った。
学校では顔を合わす事なく他人のフリ。
相変わらず週に一度だけ彼は私に会いに来たが、これと言って特別なアプローチをしてくる訳ではなかった。
ひょっとしてもう諦めたのだろうか?
もしそうだとしたら拍子抜けだ。

そんな風に思いながら日々を送っているうち、あっという間に期限の1ヶ月が近付いてきた。
そして…



「うーわ、マジかよ…」

「…?」

朝…昇降口にある掲示板の前に、生徒たちがわらわらと集まっていた。
何の騒ぎだろうと覗き込んでみれば…


「…!」



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