第7章 倉持洋一の場合
「うわっ!なんだよ///聞いてるって!しかも、近い!!」
「だから…最近、悠稀と仲良いよねって…」
「あ~席、隣だしな。」
「ふ~ん。あんまり迷惑掛けたりしないでよ?」
「なんだよ、それ!俺がいつ迷惑掛けんだよ?」
真琴にタイキックを喰らわせようとしたが、サッと避けられた。
「へへっ♪じゃあね~」
そう言って、真琴は職員室の方へ向かっていった。
ガキの頃から一緒にいたけど…
そのうち他の奴の隣でお前はどんな顔して笑うんだ?
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「なぁ…最近真琴教室来なくなったよな?」
部活のアップ中に御幸が話し掛けてきた。
「あぁ…そうか?別に普通だろ。」
なんて答えたけど、俺も思ってた。
毎日来てた教室に来なくなり、廊下で会ってもよそよそしいと言うか…素っ気ない。
その間も告白された話は聞くけど、付き合ったとかは聞いてない。
「なぁ、ノリ?」
「何?」
御幸がノリに声を掛ける。
「最近、真琴ってクラスではどうなの?」
「クラス?何も変わらないけど?」
「そっか。。。」
「でも…ふとした時にボーッとしてるかな。気になって聞いたけど、今日はちょっと寝不足って言ってたけど。」
そんな話をしていると、ランニング中のバスケ部の声が聞こえてきた。
いつも真琴が先頭で声を出して走ってるはずの場所には鈴村がいる。
あれ…?
不思議に思い目で真琴を探す。
明らかにいつもと違う様子で後ろの方で走っていた。
あいつ…どうしたんだ?
なんか…フラフラしてね?
次の瞬間ーー
真琴がフラっと倒れる。
「キャーーー!」
「先輩?!」
「真琴?!」
周りの女子部員が次々に叫ぶ。
「あっ、おい!倉持?」
同時に俺は走り出していた。
「ちょっと!真琴?」
鈴村が真琴に声を掛ける。
「う…ん……ごめ…ん」
「ちょ…悪ぃ!」
俺は人だかりをかき分けて真琴の側に行く。
「おい!お前、大丈夫かよ?!」
「ん…洋…一…?」
「真琴、大丈夫?」
少し遅れて御幸もやってきた。
「ちょっと、誰か先生か男バスの人連れてきて!」
鈴村が周りの部員に指示を出す。