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青空の彼方【ダイヤのA】

第3章 二人の距離


あっーーー

なんか…今まで見たことない二人の雰囲気だった。

悔しいとか妬けるとかじゃなくて…

知らない二人がそこにいたような気がした。。。

試合は再開され真琴は俺なんかよりずっと活躍してる。

倉持のスピードに付いて走り、真琴がフリーのとこに倉持の柔らかいパス…それを俺なんかより上手くシュートする。

「おい、真琴サッカーもできんだな?」

横を向くと純さんが立っていた。

『小さいとき、なんでも倉持と一緒にやってたみたいですよ。俺なんかより上手いっすよ(笑)』

「てか、アイツなんぼ試合出てんだ?バスケはもちろんだけど、さっきソフトボールやってたぞ?」

『あ~全種目制覇だって言ってましたよ。男子のサッカーも出てホントに全種目制覇したの真琴だけじゃないっすか(笑)』

「真琴はすごいな。バレーボールも上手かったぞ。」

後ろを向くと哲さんが立っていた。

試合終了間際、倉持からのパスを真琴がゴールを決めた。

いつの間にかギャラリーが増え、男子に混じってサッカーをしてる真琴に応援が集まりすごい盛り上がりだ。

ゴールを決めた真琴も一瞬ビックリしていたが、すぐチームメイトとハイタッチしながら倉持の元に駆け寄り背中に飛び付いた。


「洋一!やったーーー!!」

「お前、重ぇよ!俺は疲れてんだよ!」

「いいじゃん!私、頑張ったでしょ♪」


そんな二人を遠くから見てることしか出来ない。

「やっぱり、あの二人付き合ってるのかな?」

「幼馴染みってゆーけど、仲良いよね♪」

周りからそんな声が聞こえるーーー


「あの二人、あれでお互い何とも思ってないなんて信じられないよね?」

隣を見ると、二人を見つめる亮さんがいた。

『あ~…真琴は知りませんけど、倉持は兄弟とか女として見てない口振りでしたけどね~』

あの二人がお互いを意識し、自分の気持ちに気付いたときーーー

二人の間に割って入れる奴はいるんだろうか?

俺はーーー真琴の中で倉持以上の存在になれるんだろうか?


「でも、狙うならお互い意識してない今だよね?」

「「『えっ?』」」

その場にいた俺、純さん、哲さんまでも一斉に亮さんを見た。

「まだまだみんな付け入る隙があるってことでしょ♪」
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