• テキストサイズ

◆DQX "シフォンケーキは誰のもの?"

第8章 綺麗な花を君に|マゼラ



毎日欠かさず行っていた彼の船に
行かなくなってもう2週間が経とうとしてる

多分、彼は気にもしていないだろう
だって、勝手に押しかけてただけだもの

「こんにちは、おばちゃん。」

「あら、○○ちゃんじゃないか。
今日も可愛らしいね。どこかにお出かけかい?」

「そうだよ、お花でも摘みに行こうかと思って。
おばちゃん、いる?」

このおばちゃんはとっても話し好きで、
よく色んな噂話を教えてくれる
おばちゃんが少し不思議そうな顔をしながら

「あら、嬉しいわね!
でも○○ちゃん…
最近そこの花畑に骸骨が出るって話よ。
だから気をつけてね。」

骸骨?
まさか彼が…?
いやでも彼がそこに行く用事はないはず

「…そうなんだ。でも大丈夫だよ!
おばちゃん教えてくれてありがとう。」

これでも冒険者だからね!と

おばちゃんとの話を終え、花畑へと足を運んだ

「ここはいつ来ても、綺麗… …。」

誰もいない花畑で寝転がる
1人でこの場所に来るのがもう定番に

「おばちゃんの分の花摘んで帰ろう。
… …もう少しで、忘れられそうかな。」

「…もう、俺さまの分は摘んできてくれないのか?
誰の事を忘れるんだ…?」

独り言を呟いたはずなのに、
好きでやまない彼の返事が返ってきた

声のした方へ顔を向ける
そこには、彼が立っていた

「ひ、久しぶりだね…船長。」

「おぉ、そうだなァ。

○○、体調は良くなったみたいだな。」

「うん…。摘んだお花をあげる約束してるから、
帰るね。」

「…待て。またそういって何日も会わないように
するのか…?」

「やだなあ…そんな事しないよ。
会いに行けなかったのは、体調が悪かったからだよ。」

また嘘を重ねる

「本当は知ってるんだ。
具合が悪かったんじゃないんだろ。

ここに、何日も花を摘みに来てたろ。
…声はかけなかったが、○○の事見てたんだ。」

俺のせいだろ、すまねェ…と申し訳なさそうな彼

違うんだよ
マゼラのせいじゃない…

ぽろぽろと涙が頬を伝う

「ごめんね、船長。
船長はマリーヌ様が好きなのに、私…船長の事好きなの。
でも諦めるよ、だからちょっと待って。」

気を遣わせてごめんね…と謝る○○
違うんだ、お前にそんな事を言わせたくて
ここに来たんじゃない


/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp