第9章 であい
ごふん
すんすん···
「·······」
(いつまで···嗅ぐんだろ)
15ふん
すんすんすん····
「····うんちょっと痛いけど我慢して」
「へっ···!」
がりっ
ぴいい!
「った!」
がたたん
「ちょっとそのまま」
ちぅぅ···
(よく見れば···この方····人間じゃない!)
つー····
(うん···この味だ)
「店の者よ」
「った···ぁ···なんですか?!いきなり噛んで、あなたは誰ですか!?」
ぐいっ
「名前が遅くなり申し訳ない、私は澁澤龍彦···上級吸血鬼の主さ···」
(吸血鬼···今日中だよ···ね?)
「吸血鬼なら日中は動けないはずじゃ···!」
「吸血鬼が日中に動けないのは昔の話さ、さて話をしよう···今貴女の血を舐めたが···うん、魔界に連れて行こう」
「······ま、魔界?」
にっこり
「うん、我が魔族達が住まう」