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so ist es immer【Levi dream】

第2章 girl of hope for mankind



ピクシスが用意してくれた駐屯兵団の馬車は馬が荒っぽい性格の持ち主なのか小さく足で地面を蹴りつつもカタコトと少し荒っぽく道を突き進む。そんな馬車の中には金色の絹糸のような柔らかく細い髪を靡かせ目を瞑りすやすやと安心したように眠るジゼル。

ピクシスの言った通り、ジゼルは地上に出て疲れが一気に出たらしく馬車に入った途端、気を失うようにして意識を手放した。ミカサとアルミンはジゼルの顔馴染みと言うこともありリヴァイからジゼルのそばに居るようにと言われ馬車に同乗する。

ジゼルを気遣うようなその言葉にミカサとアルミンは目を見開くがリヴァイはいつもの無表情のままで。何を考えているのかわからずアルミンは敬礼してリヴァイの言葉を有難く受けとった。ミカサはジゼルが寝たとわかった瞬間に馬車から降りシガンシナ区を彷徨いている巨人を容赦なく切り付ける。

リヴァイの部下達もミカサに続くようにしてジゼルを巨人から遠ざけた。あれほど乗り気ではなかった作戦だったのに対し調査兵団に戻る足取りは嘘のように軽い。リヴァイはファルを撫でながら辺りに鋭い眼光を飛ばし続けた。

「ッ、申し訳ありません、リヴァイ兵長!」

調査兵団精鋭部隊が奇行種を逃したようでリヴァイは舌打ちと共に慣れたようにファルの背中に立ち上がり奇行種目掛けてアンカーを突刺す。他の住民が見れば奇行種相手に直接アンカーを突き刺すなど自殺行為に等しいが、相手は人類最強の兵士、リヴァイ。

リヴァイは眉一つ動かさず異様な走り方をする奇行種に目掛けてクルクルと目にも止まらぬ、残像を残してしまいそうな速さで回転し逆手持ちしたレアメタルで項を削いだ。その余りの速さに調査兵団精鋭部隊も思わず息を飲む。そして思う、リヴァイ兵長には一生かかっても適わないだろう、と。

「お前ら、此処はもう良い。奇行種以外は放っておけ」

再びファルの元に飛び乗ったリヴァイはファルの腹を大きく蹴り、巨人との戦闘を避けるべく指示を出した。調査兵団組織はもうすぐにそこだと判断し、一切休息を採らなかった兵士も馬達ももう既に限界に近い限界を迎えていた。

リヴァイの言葉に大きく返事した兵士達はジゼルの眠る馬車に目をやり、この馬車だけは、人類の希望を乗せた馬車だけは何としてでも守らなけらば、と強く胸に誓ったのだった。
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