so ist es immer【Levi dream】
第5章 reason to aim at
「ク、クソ……ッ!クソ!!!」
目を据わらせてこちらにナイフを投げてきた男のナイフを蹴りあげたリヴァイはそのまま立体機動装置で男の目の前に立ち、一突きに心臓を貫いた。血飛沫がリヴァイの頬に付き、リヴァイはベタりとした感触の血を忌まわしそうに睨んだ後、親指で拭う。
「……っ、こ、の!……ッ人殺しが!!」
最後に残った男はジゼルを抱き抱えたまま血濡れのリヴァイを睨む。その表情は酷く脅えていて。リヴァイという脅威を目にし、大袈裟なくらい体が震えていた。氷のように酷く冷たいリヴァイはもう死体となった三体を見下ろした後、生き残った男を睨んだ。
リヴァイは男とジゼルがいる枝に着地し、ブレードを逆手にもったまま静かに男に近寄る。男は後退りしながらも決してジゼルを離そうとはしない。それどころかこの絶体絶命の中、男は大きく笑みを張りつけ気絶したジゼルを見た。その様子にリヴァイの表情が怪訝そうに歪む。
「はは、ははは…。良いのか、リヴァイ。」
「……何がだ。」
「俺達は確かに雇われの身だ。だが自分の意志でこうしてここに立ってる。忠告しておいてやる、これはお前の為だ。俺を逃がし、この娘を忘れろ。」
「あ?」
意味がわからない。何を言っている。リヴァイの足が止まる。
「この娘は直ぐにお前を恨む事になる。なぜならそれ、は、」
鮮血が舞うよりも先にその臭いが鼻を刺激したがそれよりも先にブレードを握り締めている手に伝わってきた人の温かな肉が切り裂ける音はとても生々しかった。
それでも、リヴァイのこめかみには青筋が浮かんでいた。ジゼルを抱えていた男は生気の失くした目のまま落下する。手を離されたジゼルをリヴァイが咄嗟に受け止め男の最期を見下ろしていた。
ふわり、と香るジゼルの香りに男からジゼルへと視線を向けたリヴァイは小さく舌打ちをして、アンカーを飛ばした。
べっとりとこびりついた血が、気持ち悪い。