第3章 Sakurai.
「へえって....俺、平川のこと
好きって言ってんだけど?」
可愛らしく首を傾げる櫻井くん。
優しさなんかじゃなくって。
そんなんじゃないんだよって、
「いつも冷や冷やしてたんだ
あんま声掛けられなくってさ
遠くから平川のこと見てさ、
勝手に妬いて喜んで。
王子様、なんて恥ずくてヤだったけど
平川が喜ぶかなって立候補してみた」
どう、
喜んでくれたかな?
櫻井くんは顔の真っ赤な私に、
優しい笑みで問いかける。
そんな風に思っていたなんて。
「....王子様なんてダメだよ。
カッコ良すぎて届かないもん」
王子様なんてメルヘンチックな事はなくていい
運命、とかそんなものなくていい
いいから、
櫻井くんだけは
私の王子様なんて思いたいの。
ダメかな。
「ねえ、このままどっか2人で遊ばない?」