第2章 Ninomiya.
「じゃじゃーん、
凄いでしょ、婚姻届ですよ」
と誰よりも嬉しそうに笑って
その紙を見せる二宮くん
「断ってたらそれ、虚しいよ」
と冗談を言ってみる。
二宮くんは優しい笑顔で
「ぜってぇ断られないって
分かってたから婚姻届、持ってきた」
「....もうイケメン」
「知ってます~、早く書いて。
あとは愛里のとこだけよ」
ボールペンを差し出す二宮くん
これを書いて、
印を押せば。
嬉しくてドキドキして。
印を押す前に二宮くんに抱きつく
二宮くんは「おお、どうしました?」
と笑った。
「....好き、大好き、愛してる...
この言葉は二宮くんだけの言葉だよ....」
「ふふ。
もう二宮くん呼びやめなさいよ
和也、って呼んで欲しい 」
あなたも二宮姓になるんですからね?
と二宮くんが言った。
私が、二宮くん....!!
感動のあまりまた泣いてしまう私
二宮くん、あなたは不器用。
結婚しよう、と言うために
緊張して寝られなくて。
誤魔化すためにゲームして、
いつ結婚しようと言うか
タイミング掴むため雑誌を取り上げ。
やたらと構ってきて。
頬と耳を真っ赤に染めて。
いつも余裕たっぷりだけど、
こういうのだけは初々しいなんて。
あなたの初めてのプロポーズ、
本当に私でよかったの?
でも、私の「結婚しよう」はね
いつだって二宮くんのためにあるんだ
「愛里、愛してる。」
カーテンの隙間から差す光、
薄暗い部屋の中で
重なった二つの影を
知っていたのは私達だけ。
(ねえ、二宮くん)
(和也じゃないと反応しません)
(....か、ずなり...)
(ふふふ。かーわいっ)
(うぅ、やっぱ慣れないから恥ずかしい)
(初々しくて可愛いよ)
(なんか言い方よ。チャラいし)
(...二宮さんって呼んでやる)
(え、)
(二宮さん、ちゅーしよ)
(....ちょっと待っ((チュッ
(ごちそーさま。)
(チャラ男)