第6章 Ohno.
会いたいと願った。
知らない土地を、一人で歩いて
一人で泣いた。
『愛里!』
もしも、大野さんが
ヒーローだったならあの時みたいに、
私を助けに来てくれるでしょう?
でもね、私はこれでいいの。
『捜したんだぞ』
「…いやっ…」
『帰ろう』
貴方が居てくれたことで、
本当に毎日が楽しいと思えたの。
悲しい明日が来ぬようにって、
今日が永遠になるよう最低だけど願った。
[パパになってやるよ]
「やだよっ…!離れたくない!!」
本当は伝えなくちゃいけない。
貴方にあって、あの日をもう一度
やり直そう
そうして私達もやり直そう。
だから、
『…はぁ……はぁ…
愛里、何やってんの…、
大人しくしてろって、言ったろ…』
だから、
もう一度、私を見つけて拾って欲しい
「……っ」
『勝手に居なくなんなって。
心配、すんだろ。』